日   時 : 平成14年3月20.21日
場   所 : 宮崎県都城市木脇産業(株)、熊本県小国町小国ウッディ協同組合
視察目的 : スギ製材工場の見学と今後の見通し
視察団体 : 木の香る住宅工房のメンバーに同行

日本におけるスギの大生産拠点である、宮崎県と大分県を訪れる機会に恵まれました。
ご一緒させて頂く方々は、昨年秋に、広島市で開かれた「木の香る家づくりフォーラム」の時にお世話になった方々で
小城六右衛門商店小城社長、小城専務、一木課長。
住宅工房のメンバーで保井建築設計事務所所長、現代計画研究所広島事務所の今井所長、稲井林業の稲井社長の7名での視察となりました。

初日の20日はただただ目的地付近までの旅、乗用車2台に分乗して、一路高速道路を通って雨と霧で何も見えない霧島山麓を経由して霧島温泉郷へ・・・と思ったら、何とも場違いな感じがする名前の「さくらさくら温泉」とやらに・・・おまけに2台がバラバラになって落ち合うのに30分近くかかったし・・・
この時ばかりは、いやぁ〜な予感がしたのだが・・・果たして。

「今日のお宿です。」と案内されたところに着いて、我々一行の口から出た言葉は「ホォ〜〜」のため息のみ。
そのお宿とは、立派なログハウス。   

多分想像するに、昔、どこかの企業が福利厚生施設として作ったがこの不況下で手放した。
そこに目を付けたのがこの「さくらさくら温泉」じゃないのかな?
実際に、そこは別荘地の一角で普通の別荘も有れば、温泉が買収したと思われる別荘もある。
という、何とも奇妙な感じがしたけど、ログハウスを食事付きで借り切ったと思えば安いし、のんびり出来るし、なによりすごくリッチな気分になれる。
まぁ、すべてがログハウスと言うわけでも無いのだけど8人くらいで「ログハウスで!」予約を入れると何とかなるのかな?
(何を隠そう、私はログハウスの中にはいるのは初めてだったので、後学の為に写真を撮りまくってきました。)
ログハウスの中は、と言うと、建物の1階中央にリビング、ダイニングを夾んで3ベッドの洋間が2部屋。風呂は温泉の岩風呂でサウナ付き。
      
2階は3ベッドの洋間と12畳程度の和室の2部屋。
ただ、宿泊するだけでは勿体なくて出来れば2〜3日のんびりしたいようなログハウスでした。
でも、勿体ないと思ったのは私だけではなくご一緒の面々は各部屋のビールをすべて持ち寄って夜遅くまで騒いでたみたい。。。

で、翌21日。
この日は、本来の目的の視察を行う日です。
それも一日で宮崎と大分の工場見学、その後広島まで帰り着くと言う強行軍。
無事に広島に帰り着けるのかどうかは、神のみぞ知る。

まず、今回、最初の訪問地は宮崎県都城の(株)木脇産業さん
                      
本社社屋の応接室の案内されて、工場長でもいらっしゃる木脇桂太郎専務と山下史洋山林部長からお話を伺う。

材料は南九州産(主に宮崎産)の40年生のスギ皆伐材。
すべて葉枯らしによる現場での1次乾燥をすませた物が毎日250m3搬入される。
原木は市場を通さずに直接買い付け。
1年間の原木使用量は65,000m3にのぼるそうである。
ただ、原木価格の低迷は此処でも同じような状況で
4m中目材 10,000 〜 10,500円
   24上 12,000円 
ただし、地域の特長として林業機械による搬出コストの低減が図られていて
搬出経費約5,000円+運賃ということらしい。
これからも林業を続けるためには、搬出コストの低減は避けて通れない道だとつくづく感じた。

工場を見学させて頂いたが、最近の大型製材所の例に漏れずすべてコンピューター処理。
木、一本一本の特長(太さ、曲り)をセンサーで読みとり最適な気取りをコンピューターがはじき出す。
       
それによって、製材される製品は大きい物は桁材から、小割材まで様々な種類に及ぶ。

こうして製材された物は種類ごとに分別されて、次の行程の乾燥へと移っていく。
次の行程は乾燥。
此処で問題になるのは、スギ特有の含水率のばらつき。
含水率が100%〜250%近くにまでばらつきのあるスギ。
葉枯らしで有る程度の範囲にまでばらつきが押さえられているとは言えまだまだかなりのばらつきがある。
そこでまず、各規格品を3段階に重量選別して、それぞれに減圧乾燥を行う。
この減圧乾燥によってかなり含水率を低下させ、最後に蒸気乾燥で仕上げる。
この時点での含水率は約20%にまで下がり、この後でモルダー仕上げを行いスギとしては理想的な製品となってくる。
    こうして送り出される商品が「ハイドライ」と言われている木脇産業のブランド商品。

また、木脇産業グループとしては運送、製材、プレカット建築までを手がけており
これからの国産材の生き残る道は、このような一貫した製品管理が出来るようなシステム作りが必要と感じました。

昼過ぎまで、都城の木脇産業さんにお世話になり、次の目的地は大分県の小国ウッディ協同組合。
かなり時間をオーバーしていたために、急いで向かったのだけど結局付いたのは4時半。
そろそろ終業かと言うような時間におじゃましたにも拘わらず河津理事長、児玉理事にはご丁寧に説明して頂き有り難うございました。

此処でも製材はツインの帯鋸盤。それもコンピューターによる一括管理。
          

初期投資は大きくなるが、大量に加工するには微妙な人間の判断に頼るより
画一的な判断でも良いから大量に規格品が出来上がるこういったシステムがすでに主流になってきている。

こちらで使用されている原木は、木脇産業とは違い、50年生以上の丸太。
それも、今は葉枯らし材は一切無くグリーン材を市場通しで集荷されているとのこと。
原木価格も、地元小国産の18〜20cmは18,000〜20,000円
日田産の中目材は14,000円。
現在の木材価格としては破格の値段!  
         
      
乾燥施設も装備していて(今では当たり前だけど)乾燥の温度によって割れ具合を調整しているらしい。
最終含水率は15%を目標にしているが60度以上の高温になると材色が変化してくるので温度調節が難しいとの事だった。

欲を言えば、天然乾燥が一番だが、商品の在庫期間のことを考えると人工乾燥を選択せざるを得ない状況とのこと。
また、此処の製品には含水率とヤング係数が印字され製品の信頼性を高めている。


最後に小国町と言えば、「小国ドーム」
木造のドーム型体育館の草分けで、吉和小学校の体育館もこの構造で造られている。


これで、今回の視察予定はすべて終了したのだが、今の時間が6時。
これから広島まで・・・・さてさて広島に着くのは何時だろう。

前回の四国視察と今回の九州視察。
4日間ぶっ通しの視察ではあったが結構勉強になった。
今度は、これらの会社に原木を納入している山元に視察に行ってみたい。

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