日   時 : 平成14年3月18.19日
場   所 : 愛媛県別子山村住友林業別子山事業区、久万町
視察目的 : 天然更新、郡状択伐、復層林
視察団体 : 吉和村林業推進協議会

先月発足した、吉和村林業推進協議会。
その会の副会長という大役を仰せつかった最初の行事が、この先進地視察でした。
この度のねらいとしては材価低迷の中、造林費をいかに抑えるか?
そして、持続のための林業経営方法。

18日
まずは、海を渡って、愛媛県別子山村の住友林業別子山事業区へ。
話には聞いていたので是非一度伺いたいとは思っていたのだが・・・・
住民の方々には、誠に申し訳ないのだが「陸の孤島」という言葉がぴったりの所。

伊予三島市から国道319号線を通って行くのだが、その道中は道路改良が行われているとはいえ、その景色は絶景!
同行者の中の高所恐怖症の人は頭を抱えたまま外を見ることをかたくなに拒否してた。
ワイワイガヤガヤと騒いでいるうちに今日の目的地、別所山事業地に到着。

此処、別子山村は別子銅山で有名なところ。
元禄3年(1690年)露頭が発見され、翌年住友により採掘が開始されたのが始まりです。
開抗からわずか8年の元禄11年に年間産銅量1.500トン以上を記録するなど、当時世界最高の産銅量を誇る銅山でした。
その後、明治26年には日本初の山岳鉄道を導入、産銅量は一挙に5.000トンに達し、別子の山中には12.000人もの鉱山関係者が住んだと言われています。
その、坑道の坑木として多くの木材が必要となり現在のような広大な山林を入手するに至ったとのことです。

明治中期よりl「報国土」の思想のもと、大造林計画が実行に移され、現在の緑豊かな山林が作られたとお窺いしました。
現在のテーマは「合自然」と「保続林業」

 本日我々を迎えて頂き、ご案内頂くのは住友林業新居浜事業所の長谷川課長代理さん。
 まず初めにご案内頂いたのが「合自然」の方の、ヒノキの天然更新。
 林業においての更新費用のうち最も多くを占めるのが植林作業であり、これを自然の力を利用して行おうと言うのが天然更新です。

見させて頂いたのは、ごく普通のヒノキの林。
30数年生にしては若干成長が悪いかな?という位で話を伺わなければ全く気づかない。
施業の上で大変なのは密度管理。
数十万本の稚樹を20数年までに3000本に(これでも一般の林業から見ると多い)除伐していく。
この、高密度管理のせいで肥大成長が抑えられたのかもしれない(もともとの地理的条件下もしれないが・・・)

私どもでも、ちょっと試してみたい山林でした。

続いて案内して頂いたのは、「保続林業」である群状択伐林。
林業であろうとも目的が「利益」で有る以上、継続的に収入を得る必要がある。
が、昨今の自然保護に鑑み公益的機能の発揮も考慮した伐採、更新を行う必要も否めない。
そこで、森林の持つ本来の機能を損なわず、各種のコストを低減させる目的で行われた群状択伐の試験施業地。
伐採区画は非常に狭く、20m×20m程度。   
遠目には、伐採が全くと言っていいほどわからず、林内に入ってようやく確認できる程度でした。
搬出はすべて架線による搬出と言うことでしたが、今後のことを考えた時に何時までも架線集材が可能かどうか?
また、次の区画の伐採時(25年先)にこの狭い区画でどれだけの被害木が発生するか?
まだまだ検討する余地も有るように見受けられました。

翌19日は、四国の林業地としてはこれほど有名なところもないと言われる久万地方。
この久万林業地域の育林技術は吉野林業をモデルにして発達してきた物であり密植による大径材生産を目標にされてきました。
その中で今回愛媛県の森係長のご案内により、岡信一氏の復層林展示林を視察させて頂くことになりました。
   
岡家の実践技術が昭和43年に「久万地方育林技術体系」として策定されるなど、先進地である久万地方の中に於いても先駆的な林業家であり、その経営理念は「経営と蓄積の安定」。
その理念を現実の物とするために多品目生産を可能にする技術が復層林施業であると言うことです。

実際に現場に足を踏み入れると、100年を優に超えたスギの大木と植林されたばかりの稚樹。
そして中層木のスギ・ヒノキが見事なまでに枝打ちされて、調和の取れた山林に仕立て上げられていました。
林業家として、夢にまで見る山林です。
                          

視察も早く終わったので、近くにあった県森連の木材市場に急遽おじゃまさせて頂き、ここ久万地方で木材の価格などについてのお話を伺うことが出来ました。  
          
写真の様な立派なスギ、ヒノキの柱口が16100円/m3、43300円/m3とやはり木材不況は全国的に蔓延してることを実感致しました。

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